外遊びこそ学びの場
7月のモンテッソーリ☆ライフは、「外遊びこそ学びの場」として開催しました。 公園の遊具で遊ぶことは、もちろん粗大運動を通して、自分の体を自分の思い通りに動かすことや、バランス感覚を身につけるために、とても手軽な場所です。
そして大抵、小さな公園にも植え込みがあったり、今の時期は多くの虫達が活動しています。
子ども達は、時に虫に対して非常に残酷な行動を取ります。
強さの加減を知らずに虫を握りつぶしてしまったり、動き回る蟻を踏み潰したり、地を這う虫を突き回したり。。。
けれど彼らはそれで何が起きるのかを、無意識的に実験したり、知らずにやっていることで、そこから多くを学んでいるのです。
植え込みの影でおしっこしようとしながら、
「アリさん。おしっこかけてあげよ〜!」 と追いかけていたそうです。。。私が。。。
それは。。。あくまで。。。実験なんですっ!(笑)
さて、話を戻しましょう(汗)
外遊びをどうやって広げられるのでしょうか。
そもそも、未就学まで頃の子ども達の学びは、論理的なものではなく、全て五感を通したものです。
7月のイベントで紹介したことをまとめてみます。
外には、さまざまな植物があり、さまざまな形の葉があります。
大人にとっては、そんなこと言われなくてもわかっているかもしれませんが、どれほどに分類できるのか、蔓なのか、草なのか、樹木なのか、緑の色のグラデーションの豊富さなどを、意識的に見て実感したことはありますか?
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「そう言われると。。。」 と思いませんでしたか?
写真の下の2つは、「ぶどう」の葉です。
大きな形の分類では同じかもしれませんが、種類が違うと、こんなに違いがあるんですね。
ちなみに。
桜はバラ科だってご存知でしたか?
こうして、葉っぱを通して植物学の入り口の鍵を手渡すことができます。
ありもしないモンスターの分類をするためにお金を使うくらいなら、地球上にある本物の多様性に気づかせてあげていただきたいです。
上の写真からは、「緑色」の違いにもお気づきかと思います。
いろんな葉っぱを取って来て、「どっちが濃い緑?」「こっちの方が薄い緑だね。」などと会話をしながら並べるだけでも、濃淡についての言葉の概念も自然に理解できますね。
夏が終われば、「赤」や「黄」についてもできそうですね。
「色」の概念の入り口の鍵も手渡すきっかけになりそうです。
お家でも、クレヨンや絵の具で色遊びはできそうですが、こんなのはいかがですか?
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刺繍糸です。
写真は、店舗にあった色見本ですが、例えば269〜276全てでなくても5種類くらいをグラデーションがわかるように選んで、刺繍糸の束のままでも良いには良いですが、マッチ箱ほどの大きさの厚紙かダンボールに巻いて、並べやすくすると良いかもしれません。
それを外に持ち出して、
「この緑に近い葉っぱ探そう。」
とか、取って来た葉っぱを糸の色でグループ分けをするのも楽しいでしょうね。
色についてのモンテッソーリ教具に、「色板」と呼ばれるものがあります。それは3段階あるのですが、ご紹介した方法で、教具の代わりはできますし、もはやご紹介した刺繍糸がなくても十分「色」について紹介することができますよね。
モンテッソーリ教育には、数多くの「教具」があります。それらは、子ども達の随意運動の発達の手助けになるものや、特に3〜6歳向けには、さまざまな概念の紹介や分類のヒントになるものがたくさんあります。ですので、モンテッソーリ教育と言えば「教具」や「お仕事」と考えられがちですが、そこが本質ではありません。
子どもに関わる大人の役割の一つは、生活の中で出会う物事の概念の紹介や、分類の「鍵」を手渡すことです。だから家庭でもできるのです。
藤井聡太四段の活躍で話題になっているのは、「集中力」の部分ですが、そもそも幼少期の集中は、なぜ大切なのでしょうか。そんな話をきっかけに、8月19日のモンテッソーリ☆ライフでは、今更聞けない、今聞きたい『モンテッソーリ教育って何?』と題して、モンテッソーリ教育の基本的な視点をご紹介します。